もしも、激しく雨の降る夜に、縄と美しい女体があれば……。
DVD「縄」雪村春樹 川上ゆうはまさに、そんな私たちの幻想をみごとに描いている。ゆっくりと過ぎる時間の中で、緊縛と縄に愛された女の詩が流れていく。そこにひととき、浸ってみるのもいい。
人気女優の川上ゆうの表情、流す涙が美しい。
雰囲気のある日本家屋。雨音。下着の彼女を敷居に立たせる。肌が白く光る。縄を持って来た雪村春樹氏。
恥じらいながらもじっとして、手を縛られていく。縄の感触に心がギュンとなる。
縄を受けるとき、彼女には恥じらいが滲み出る。こういう愛され方を求めてしまう自分に。
下着を脱がされて、恥ずかしい姿のまま立たされる。
そして美しい涙を流す。緊縛テクニックがどうのという以上に、縄が女体の美しさをどう引き出していくかが、よくわかる。
縄そのものが愛撫になっていく。口を縄で塞がれる。美しい顔が歪む。だが、縄を得て別次元の美しさが浮き上がってくる。
舌を縄で挟まれて、おもちゃにされる。
縄も良いが、手拭いによる猿ぐつわも川上ゆうにはよく似合う。
なされるがままに、秘部をさらけ出し、嬲られてしまう。
前編と後編の間に、オフショットの映像がある。このときのやり取りや、彼女の笑顔が素晴らしい。耽美的なSMの映像世界を乱すことなく、女を感性豊かに表現している。
最後まで派手な責めはないのだが、じっとりと、そして豊かに縄と肉体と縛られる女の存在が描かれていく。
縛る側、縛られる側の感性が見る者を引き込む。冷たい情熱とでも言うのだろうか。静かで奥深い情念を堪能したい。（文＝あんぷらぐど 荒縄工房主宰）
作品紹介中の解説は筆者の主観にて記述しております。
本編とセリフの言い回しが違う場合があります。紹介させて頂いている画像順は、作品とは順番が違う場合があります。
DVD「縄 雪村春樹 川上ゆう」は2008年に発売された「真・雪村春樹大全集2」の川上ゆう出演部分の柱縛り、胡坐縛りの2つの責めをメインカメラとサブカメラを同期し再編集したものです。
雪村春樹氏の意向による未使用映像を多用し、より情緒溢れるライブ感のある編集を施し装いを新たにお届けいたします。
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